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ピアノの調律にかかる時間はどれくらい?調律前の準備は?

皆さんは、ピアノの調律にかかる時間がどれくらいか、また、その理由についてお考えになったことはありますか?人によってはピアノの調律が長いと感じる方も多いことでしょう。
しかし、調律に時間がかかるのには重要な理由があるのです。この記事では、そんなピアノ調律にかかる時間に関して、皆さんの疑問を解消する内容を提供していますので、ぜひ参考にしてください。

ピアノの調律にかかる時間

ここではピアノの調律にかかる時間について詳しく解説していきます。
なお、時間はさまざまな要因によって変わることもあるため、一概に何分以上、何時間以上と断言できるものではないことを念頭に確認していきましょう。

ピアノの調律にかかる時間

ピアノの調律は何分かかる?

ピアノの調律にかかる時間は、調律師の経験と技術、ピアノの状態、そして調律の目的によって変わりますが、一般的にプロの調律師による全体的な調律は約1〜2時間ほどかかるとされています。
しかし、これはあくまで目安であり、ピアノの状態や前回の調律からの空いた期間などによって変化します。
例えば、新しいピアノや長い間調律が行われていないピアノの場合、基本的な音程を整えるだけでも1時間以上かかることがあります。
その後、細かい音程の調整や音色の調節を行うため、全体としては2時間以上かかることもあります。
また、コンサート用のピアノの調律や特定の曲に合わせた調律(特定の調での演奏など)の場合、さらに時間がかかることもあるでしょう。

ピアノの調律にはなぜ時間がかかるの?

プロの調律師でも数十分から数時間かかることがあるピアノの調律ですが、それはなぜなのでしょうか。
ここでは、そんな調律にかかる時間の要因などについて解説していきます。

 

約230本の弦を1本ずつ調律していくから

ピアノは、そのサイズや形状によっても異なりますが、一般的には約230本の弦が張られており、調律師はこの弦を1本ずつ調律していくため時間がかかります。
ピアノの弦は低音から高音まで幅広い音域をカバーするために、異なる長さや太さ、テンション(張力)があります。
また、一つの音を出すために複数の弦が同時に鳴らされるため、その全ての弦を正確に同じ音程に調整する必要があるのです。
調律は、この約230本の弦を一本ずつ、また一つの音を出すための弦群を一組ずつ調整していく作業です。
弦の長さやテンション、打鍵の力など微妙な要素が音程に影響を与えるため、調律師は弦の振動を聴きながら細かい調整を行います。
このような細かな作業が必要なため、全体の調律には時間がかかります。

 

調律師が耳で音を判断する集中力のいる作業だから

調律は、音の高さや響きを正確に判断する聴力、そしてそれを正確に分析・評価できる音楽的な感覚が必要な作業です。
調律師はピアノの鍵盤を打鍵しながら弦の振動を耳で聴き、その音程や音色が適切かを判断します。
特に、一つの音を出すための複数の弦が全て同じ音程になるように調整する「協和音調律」は、弦の微妙な音程の違いを聴き分け、それを調整するための集中力と経験が求められます。
また、全体の音程が均一になるように調整する「全音域調律」では、低音から高音までの広い音域にわたる音程のバランスを取るための洞察力と技術が必要です。
なお、ピアノ自体に不具合(共鳴や雑音等)が発生している場合は、未調律期間が長くピッチが安定しない為、数回調律をして安定を図る必要があり時間がかかります。
これらの作業は、一つ一つの音程の調整が全体の音色や音程に影響を与えるため、非常に集中力を必要とします。
これが、ピアノの調律に時間がかかる大きな理由の一つです。

ピアノを調律してもらう前の準備

ピアノの調律を行う前には、ご依頼される方も適切な準備を行うことで、調律師が作業を円滑に進められることもあります。
その調律前の準備について解説していきます。

 

事前に伝えておくべきことがあれば伝える

ピアノの調律における最初のステップは、調律師に必要な情報を提供することです。
この段階で伝えるべき情報には、ピアノのブランドとモデル、ピアノの製造番号、最後の調律からの経過時間、そして特に気になる問題(例えば特定の鍵が重すぎる、特定の音が出ない等)があります。
これらの情報は、調律師が調律の作業工程を決めるために非常に有益です。
特定の調で演奏する予定がある、あるいは特定の音色を希望するなど、特別な要望があればこの時点で伝えておくと良いでしょう。

 

ピアノの周辺を片付ける

調律師がすぐにピアノの調律に入れるように、ピアノの周辺を片付けることも重要です。
例えば、ピアノの上や周囲に置かれた物を移動させる、床を掃除する、十分な明るさを確保するといったことが該当します。
調律は精密な作業であるため、調律師が作業を行うための空間は最低限度のスペースがあり、静かで明るくなければなりません。
このように作業環境を整えることは、調律師が作業を効率的に、そして質のいい作業を行うために必要となります。

調律中の時間の過ごし方やマナーについて

ピアノの調律は専門的な作業であり、調律師との相互理解と敬意が必要です。以下では、調律中の過ごし方やマナーについて詳しく解説します。

調律中の時間の過ごし方やマナーについて

調律師さんにはお茶出しした方がいい?

調律師へのお茶の提供は必須ではありませんが、出す場合であっても気持ち程度で問題ありません。
ピアノの調律は集中力を必要とする作業であるため、適切な休憩と水分補給は調律師の作業の質を保つことに一役買ってくれることでしょう。

 

ピアノの調律中は近くにいて良い?

調律中に近くにいても構いませんが、何よりも優先すべきは調律師が集中できる環境を提供することが重要です。
具体的には、調律師の作業を邪魔することなく、無理な要求を控え、大きな音を立てたり会話を始めたりしないなど、静かな環境を保つことが求められます。
もし何か質問がある場合や調律について話し合いたい場合は、調律師が作業から一時的に離れるタイミングを見計らって話しかけると良いでしょう。

 

調律が終わるまで外出しても平気?

ヤマハピアノサービスの場合、調律時は立ち会って頂くことになっています。
また、調律完了後はピアノの状態を必ず確認して頂きご納得いただいた上でお支払、サインを頂いております。

ピアノの調律が終わったらするべきこと

ピアノの調律が終了した後には、あなた自身がピアノの音を確認し、調律師と調律内容・結果について話し合うことが重要です。

 

試弾でピアノの調律具合を確認しよう

調律が完了したら最初に行うべきことは、ピアノを自身で弾き調律の結果を確認することです。
ピアノの鍵盤を順番に弾き、各音がクリアで均一、そして期待通りの音が出るかを確認してください。
また、自身がよく弾く曲を演奏することで、より具体的な音のバランスや調和をチェックできます。
何か問題がある場合や調整が必要な点がある場合は、調律師にその場で要望や提案をすることが大切です。

ピアノを調律しないとどうなるのか

ピアノの調律はその品質と寿命を保つために必要な作業です。
ピアノの弦は長く使っていると疲労し、ピアノを構成する部品は消耗します。
また、ピアノには木やフェルト、クロスを用いた部品が多く含まれます。
特にフェルト類は衣類害虫に食べられてしまう事もあるため注意が必要です。
こういった部品や機能の点検、音の安定感を維持するためにも、年に一度の調律をお勧めしています。
なお、使用頻度や環境条件(温度や湿度の変化など)により、その頻度は異なる場合があります。
頻繁に使用するか、またはプロの演奏家がいる場合、季節の変わり目ごと、あるいは3〜4ヶ月ごとに調律することがおすすめです。

ピアノの品質維持には定期的な調律が重要

ピアノの調律は単なるメンテナンス以上のものであり、楽器の品質、パフォーマンス、そして寿命を保つために不可欠です。
そして、そんな調律という作業は時間と集中力を必要とする専門的な作業であり、調律師の技術と経験がその結果に大きく影響します。
いくら時間がかかるからとはいえ、調律を怠らずに定期的に依頼することで、ピアノの品質や価値は保たれることでしょう。

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