ピアノ買取、ピアノ調律・修理、中古ピアノ販売のヤマハピアノサービス

トップ > 社会貢献 > デザインのチカラ×デザインを支えるワザ Part3

デザインのチカラ×デザインを支えるワザ

「ミラノデザインウィーク2026」ヤマハ出展作品
アップライトピアノの修復・再生〜外装製作に協力

人の想いをつなぐ楽器

ミラノ市内ブレラ地区に設けられたヤマハの展示会場には連日、多くの来場者が訪れ賑わいを見せました。

「これは発売しないの?」

「中古ピアノがベースなんだ。それは素晴らしい取り組みだ」

そんな来場者の声を現地で直接聞いた坂本は「人と楽器の関係をあらためて考えることになった」といいます。

「会場で楽しそうに<DRESSING>を弾く人を見て、自分も昔、祖母から譲り受けていたピアノを持っていて、それをよく弾いていたことを思い出しました。ピアノっていうのはそういう『人の想いをつないでいく楽器』。あらためて『素敵な楽器だな』ってことを思いましたね」

ミラノの展示会場で来場者に説明する坂本

ミラノの展示会場で来場者に説明する坂本

展示プロジェクトのリーダーを務めた柏瀬に出展の成果を問うと「ヤマハのものづくりを担う、そのデザイン制作の一端を見せられた」と前置きして、ミラノデザインウィークをこう振り返ります。

「今回のメンバーは全員が僕より年下の中堅〜若手。そのメンバーが世界最大規模のデザインイベントの出展作をそれぞれ企画し、現地でさまざまな人と触れ合い、自身の作品について説明しデザインの意図を解説する。その経験で得たものは数値化できないですけれど、デザイナーとして成長する上でものすごく大きな刺激になったと思っています」

「実は個人的にいうと、作品を無事にミラノに持っていけたってことで、僕自身はものすごい達成感があったんですよ。『製作期間が短くて本当に間に合うのか』とか『輸送の過程で何か問題があったりしないだろうな』って心配が続いていたので、現地で木箱を開け、展示品が無事だった姿を見た瞬間は忘れられないです。ある意味、最高の瞬間は展示が始まる前だったのかもしれません(笑)」

もちろんデザインをカタチにしたYPSのふたりも、今回のプロジェクトから多くの刺激を受けたことは間違いありません。

「今までいろいろなピアノ、それこそものすごく古いものの再生にもいくつも関わってきました。今回のデザインのベースになった燭台の名残りが残されたピアノも何台も見てきましたけれど、それがこんな形になるなんてイメージしたことすらありませんでした。もちろんピアノ技術者としては、古いピアノを修復・再生することで、再び美しい音を奏でてくれる。その喜びに代わるものはありません」

内装を担当した山田はベテランらしい落ち着いた言葉で、そう話します。

一方、「柏瀬さん、坂本さんと共有した時間は、ものすごく刺激的だった」という安松は「新たな気づき」としてこんなことを話してくれました。

「今までは『可能な限り元に戻す』のがゴールだと思っていたわけですが、そんなリニューアルとは違った角度で、デザインの力を借りることでピアノ再生の新しい可能性を感じました。たとえば私の担当している塗装でいえば、部分的に色を変えたりすることで、『世界で一台の私だけのピアノ』をつくるといったような。そんなことも可能なのかな、と思ったりしています」

ヤマハピアノサービス掛川センターでの取材が終わり、取材班が撤収作業を進めるなか、<DRESSING>を囲んで話を続ける4人の姿がありました。「ピアノは人の想いをつなぐ楽器」。そういった時、まず思い浮かべるのは持ち主とピアノの関係であり、ピアノを取り巻く家族だったりします。ただ、そのスタートにはピアノを我が子のように慈しむ、こんな「つくり手たち」がいます。

それぞれの想いがつまった<DRESSING>を前に

それぞれの想いがつまった<DRESSING>を前に

| 1 | 2 | 3 |